「e-VLAN」の導入後、全労済の新ネットワークでは特にトラブルも発生しておらず、順調に稼動を続けているという。このことは「e-VLAN」が高信頼性を実現していることの表れであると言えるだろう。
運用上のメリットも大きなものとなっている。従来のフレームリレーであれば、拠点統合や組織変更、あるいは新たな拠点の開設などに際してパスの変更や追加といった設定作業が必要だったが、「e-VLAN」ではそうした運用管理部門の作業は必要なくなった。全労済システムズの住吉氏は、「フレームリレーが組織階層によるツリー構造で複雑だったという背景もありますが、ネットワーク構成の変更で機器側も設定を変える必要がありました。運用管理部門としては、こうした作業が不要になって非常に助かっています」と語る。
ネットワークの障害、構築、問い合わせについて窓口を1本化させている点も運用面の大きなメリットだ。全労済システムズの松井氏は「複数キャリアのネットワークを同時に導入した場合、障害が発生した際の調査・対応などがスムーズにいかない場合が多々あります。ワンキャリアであれば、そうした問題が発生しないので、運用面でも負荷を抑制できます。万一の対応や問い合わせについても、迅速な対応を期待できるので大きな安心感があります」と強調する。
また、セキュリティ面についても、従来のサーバー分散、フレームリレーのツリー構造から、情報センターへのサーバー集中化を図り、さらに「e-VLAN」に切り換えたことでセキュリティレベルの向上を実現させている。
一方、帯域については、特に各支所のアクセス回線が以前と比較して10倍ほどに増強されており、各支所のエンドユーザーからも「非常に通信速度が速くなり、アプリケーションの操作が快適になった」という声が出ているという。以前はアプリケーション更新やセキュリティパッチ更新などクライアントへの資源配布を行おうとした際にオンライン業務のレスポンスが落ちたこともあったが、そうした問題も解決されている。
今回のネットワーク再構築における投資評価についても、松井氏は「ルーターの更新に伴う新たなリース料や保守費用、フレームリレー回線での増速に伴うコストアップなど旧ネットワークを使い続けたときに発生する全体のコストで考えたとき、変わらないコストで帯域・信頼性・セキュリティの向上を実現できています。計画通りの投資効果だと評価しています」と述べる。
今後、全労済ではさらなるビジネス継続性を高めるため各県本部のアクセス回線の冗長化を進める一方、サービス提供の拡充によるトラフィック増加に備えて帯域増強をはかっていく計画だという。
「e-VLAN」の導入によって、ネットワークの信頼性を大幅に向上させることに成功した全労済。契約件数3,572万件の共済事業、ひいては全国1,390万人の組合員の安心を支えるために、今後ますますネットワークが重要な役割を果たすに違いない。 |