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JTB(株式会社ジェイティービー)様


今後の事業展開を柔軟に実現できる
全社的なネットワークインフラに「Arcstar IP-VPN」を採用


[ロゴ]JTB

2002年6月、佐々木 隆新社長の元、独自性を打ち出した旅行商品の開発・提供などのさらなる経営強化に乗り出した旅行業界最大手のジェイティービー(以下、JTB)。営業面では、ITネットワークを活用した、提携販売店などの関係会社との情報共有や、顧客サービスの品質向上に注力している。同時に、こうした業務を支える全社的なネットワークの見直しを進め、これまでシステム毎にATM専用線やフレームリレーを利用してきたが、複数のシステムを1つのネットワークで統合できるようNTTコミュニケーションズの「Arcstar IP-VPN」を導入した。その結果、ミッションクリティカルな旅行予約や発券業務などの基幹システムにおけるレスポンスの低下などで、窓口にお越しいただいたお客さまへの対応が滞ることなく安定したシステム運用を実施し、顧客満足度を高める円滑な窓口応対業務を実現している。今後は、社内ネットワークだけでなく、JTBグループ全体のプラットフォームを構築する中でも「Arcstar IP-VPN」を活用していく予定だ。


創造型旅行業を目指す新生JTBが情報ネットワークを見直しへ


2002年に創業90周年を迎えたJTBは、フロントオフィス業務の強化などを骨子とした「Brand-New JTB2002」を立ち上げた。大きな目標は、旅行業のエキスパートとしての専門性やこれまでJTBが提供してきた旅行予約や発券業務などの正確で質の高いサービスを活かして、これまで以上に顧客に誠意を尽くす事業展開を進める点にある。

「サービスクオリティを高めるため、営業のビジネスプロセスを中心にITを積極的に活用した改革を行い、独自の旅行サービスを企画、提案できる『創造型旅行業』を実践していきたい」と話すのは、経営企画部IT企画マネージャー森 良三氏だ。

同社では、情報システムやネットワークへの投資を進め、大幅な経費削減や業務効率化などの成果を手にしてきた実績がある。その典型的な例が、年々段階的なシステムのアップデートが図られている旅行予約・発券・情報検索システム『TRIPS』などの基幹システムである。顧客のニーズと信頼に応えるサービス品質向上のための情報化投資をはじめ、販売受託している航空会社や鉄道会社とのホスト間結合によって業務の迅速さを絶えず追求してきた。

[写真]森 良三氏

JTB 経営企画部

IT 企画 マネージャー

森 良三氏

「近年では、インターネット上からのチケット直接販売の普及などを受けて、従来からの実店舗での対面販売と、ECサイトなどの顧客チャネルをいかに連携・統合していくか、また、旅行先や宿泊先の写真データなどを活用し、創造型旅行業を目指した販売をどのように展開していくかなど、新たなテーマにも取り組んでいます。いずれにせよ、情報系システムの補強が求められているわけです」と森氏は話す。

静止画像だけでなく動画像などのリッチ・コンテンツの増加などを背景に、システム全体を支える企業情報ネットワークの広帯域化や、運用面での負担軽減について、抜本的な解決を打ち出すべき時が刻一刻と迫っていた。


用語解説

IP-VPN (Internet Protocol - Virtual Private Network)

IPネットワーク上に、第3者がアクセスできない仮想的な私設網(VPN)を設定し、事前に登録した複数の相手との閉域通信を可能にするサービス。ルーティング、ネットワーク構成の簡素化により、運用が容易で柔軟性・拡張に優れたネットワーク構築が可能になる。IP-VPNの実現技術にMPLS等がある。


『TRIPS』

JTBが長年かけて構築してきた旅行予約・情報検索システム。69年にコンピュータによる客室自動予約システムとして開発され、クーポン決済の効率化などに貢献したのがはじまり。当時は宿泊業者のシステムとネットワーク化するため、テレックス回線などを利用していた。その後、基幹系システムのマルチメディア化や航空会社、JRなどの交通機関との専用線によるシステム結合を経て進化を遂げ、現在のバージョンは「TRIPS-V」。同社の中核的な情報システムとして活躍している。


豊富な導入実績と、高品質、高信頼が
「Arcstar IP-VPN」選択の決め手


2000年4月頃より、同社では企業情報ネットワークの見直しに着手した。

ATM専用線とフレームリレーを組み合わせたネットワークで接続された旅行予約や発券、お客さま情報、営業支援、会計、社内情報などシステム毎に個々にネットワークを利用していたが、IPプロトコルに対応したシステムへ移行することにした。そこで、基幹システムに適したネットワークの動向を調査してみたところ、MPLS技術を利用し、高いセキュリティと柔軟性、拡張性を兼ね備えたIP-VPNが浮上してきた。インターネットVPNや広域LANなどもサービスとして出始めていたが、基幹システムの安定運用が窓口へお越しいただいたお客さまに対するサービスレベルに直結することを考慮すると、当時まだ導入実績が少ない点や低速品目までサポートされていないなどの拡張性の点で見劣りし、候補から外れた。

JTBの情報システムの運用管理などを一手に引き受ける株式会社JTB情報システムのネットワーク構築を担当するシステム2部担当マネージャーの伊藤 和彦氏は、ネットワークの選定の決め手に関して次のように話す。

「IP-VPNの導入実績が豊富なキャリアを重視しました。そこで、すでにサービスを利用していた航空会社などの他企業に対してレスポンスや故障状況について、ヒアリングを実施した結果、導入実績※1をはじめ、ATM専用線やフレームリレー利用時とほぼ同等の品質が得られるという声があがったNTTコミュニケーションズの『Arcstar IP-VPN』が最適と判断しました」 。

[写真]伊藤 和彦氏

JTB 情報システム

システム2部

担当マネージャー

伊藤 和彦氏

導入では、2001年10月に、センター回線のデバック、およびテストを実施。年明けから、重要な拠点は回線を二重に設置。さらに、BGP4の利用により、万一のトラブル時には、一方のトラフィックを瞬時に別系統に切り替える設計がなされるなど、一層の冗長化によってネットワークの信頼性が増した。さらに、業界最多の5項目に渡るSLAの適用によってネットワーク品質も保証されている。

2002年6月時点では、営業本部や支店を中心に国内約400拠点、端末数では約15,000台がネットワークにアクセスする形になっている。主力商品「ルックJTB」の造成システム「ALPS」の約800の端末もここに収容されている。

「JTBトラベランドなどの大手のグループリテーラーを中心に、通信費が大きくかさんでいた拠点から順にその傘下に加えています」と森氏は言う。

※1 平成14年10月現在で約5.5万回線


用語解説

MPLS(Multi Protocol Label Switching)

MPLSはパケットの超高速転送、ネットワークの閉域性確保などを可能とする技術。IP-VPNでは、ネットワークの入り口(エッジノード)で、IPパケットなどに「ラベル」と呼ばれる識別子を付与し、ネットワーク内はIPアドレスを使わず、ラベルだけを用いてパケットを高速転送する。これにより、異なるVPN間の通信が基本的にできないため、セキュアなIP-VPNが実現する。インターネット技術の標準化組織IETF(Internet Engineering Task Force)で規定されている。


インターネットVPN

インターネットを共通の通信インフラとして利用することで、安価にVPNを構築する技術。GRE、L2F、L2TPなどのレイヤ2プロトコルをカプセリングして、IPもしくはその上位レイヤに統合するオーバーレイモデルVPNの一種である。あたかも専用線で直接接続しているような仮想的な伝送路を構築できるが、IP-VPNと異なり、不特定多数が利用するインターネット上をパケットが流れるため、セキュリティ面での十二分な対策を講じなければならない。


BGP4 (Border Gateway Protocol version 4)

TCP/IP ネットワーク上でルーター同士が経路情報(ルーティング・テーブル)をやり取りするためのルーティング・プロトコルの1つ。インターネット・バックボーン上でプロバイダ同士がルーティング・テーブルを交換する際に用いるケースが多い。


SLA(Service Level Agreement)

ISPなどが提供するネットワークにおけるサービス品質保証をうたったもの。QoS(Quality of Service)を明確に定義する。「Arcstar IP-VPN」では、開通遅延時間、故障回復時間、故障通知時間、伝送遅延時間、アベイラビリティ(稼働率)の5項目にSLAを導入している。

SLA(サービス品質保証制度)


豊富なアクセス回線と優先制御機能により、
複数のシステムを「Arcstar IP-VPN」に統合。

運用面の効率化とTCOの削減を実現


従来までは、業務部門のシステム毎に個別にネットワークを持っており、全社的にみると、ATM専用線、フレームリレー、ISDNなど、さまざまな種類の回線が混在して、運用面などで煩雑になっていた。

しかし、「Arcstar IP-VPN」を導入してからは、複数のシステムを1つのネットワークに統合できたため、見通しのよいネットワークに変わることができた。さらに、支店および営業所の中には光回線を通す配管設備が無いようなテナントビルも多く、メタル回線による接続が必要とされる。「Arcstar IP-VPN」であればSTM、ADSL/SDSL、フレッツ・ADSL(IPsec接続機能)などのメタル回線の品目が充実しており、ナローバンドからブロードバンドまで幅広く対応できるため、店舗の立地条件に応じた展開が可能だった。

また、情報システムのレスポンスにも、厳しく神経をとがらせている。例えば旅行予約や発券業務などにおいて、端末の入力から2秒以内に処理結果を返す、というのが目標だ。発券業務などがピークを迎える夏季繁忙期では、1日100万回を超える処理負荷がかかるが、旅行業のシステムはいわば形にない商品であるがゆえにソフトウェアのアルゴリズムは大変複雑で、なおかつ、レスポンスが要求される。

今回の社内システムの統合については、優先制御オプションの活用で、旅行予約や発券など基幹システムのデータを、社内情報共有用のデータよりも送信時の優先度を高く設定。これにより、端末−ホストコンピュータ間のレスポンスには十分満足との評価である。

最後に、こうした導入の結果、ATM専用線やフレームリレーを利用していた頃に比較して、総帯域は約2倍になったが運用管理費用を含めて3割以上の通信費用をダウンできた。

Arcstar IP-VPN導入前後のネットワーク図

Arcstar IP-VPN導入前後のネットワーク図


用語解説

優先制御

IPネットワークなどのパケット通信網を流れるパケットに何段階かの優先順位を与えて、優先度の高いフローのサービス品質(QoS)を確保する技術。回線速度を超えるようなパケットの流入が起きた場合に、優先度の低いパケットを破棄して優先順位の高いパケットの損失を防止したり、優先度の高いパケットを先に送信することでスループットの低下を抑えたりする。

優先制御機能


NTTコミュニケーションズによるトータルIPソリューションと
今後のアクセス回線メニューの追加に期待


JTBでは、ISDNで接続されている提携販売店の旅行予約・情報端末「たびネット」についても、「Arcstar IP-VPN」への統合を検討していく予定である。

「NTTコミュニケーションズについては、長年にわたり蓄積されたノウハウに基づいたネットワーク導入時の各種検証を含めた最適な提案や運用が始まってからのサポート力、さらにアクセス回線メニューの充実やオプション機能の拡充に期待している」と森氏は言う。

アクセス回線のブロードバンド対応、オプション機能の拡充などMultiservice VPNとして進化する「Arcstar IP-VPN」。同社は、社内ネットワークだけでなく、JTBグループ全体を雲のように包むプラットフォームにしようとする構想で「Arcstar IP-VPN」を活用していく予定だ。


感動を創造するツーリズム。心豊かな社会の実現に貢献


JTBの事業概要


パッケージツアーの定番「ルックJTB」「エースJTB」をはじめ、多くの宿泊施設や交通機関とのネットワークを活かしてバラエティに富む旅行商品を提供する旅行業界最大手のJTB。

社員総数は、JTBグループ全体で2万5千人を超え、旅行業としては最大の規模を形成する。また、複合サービス企業集団として、多様化、複合化していく顧客ニーズにマッチする的確、迅速なサービスの提供に努めてきた。

近年、旅行業界では、少子高齢化に代表される社会構造の変化、地球環境保護やノーマライゼーション、危機管理やコンプライアンスなどの諸問題に対する企業の姿勢が問われている

JTBでは、こうした市場からの期待に応え、観光産業の価値を高めるため、ノウハウを武器にした、きめ細かい商品開発からコンサルティング、販売店舗やスタッフの充実による営業力の強化などを進めている。また、インターネットでの旅行予約・決済システム「JTB INFO CREW」をはじめ、コンビニエンスストアを中心にマルチメディア端末を設置し、クリック&モルタルによるビジネスも展開中である。


JTBの歩み


西暦(年)

1912

ジャパン・ツーリスト・ビューロー創業

1934

社団法人ジャパン・ツーリスト・ビューロー(日本旅行協会)と改称

1941

社団法人東亜旅行社と改称

1942

財団法人東亜旅行社と改組

1943

社名を財団法人東亜交通公社と改称

1945

財団法人日本交通公社(英文名ジャパン・トラベル・ビューロー)と改称

1952

ニューヨーク観光宣伝事務所開設

1960

本社社屋(交通公社ビル)竣工

1963

株式会社日本交通公社設立(資本金8億円)

1964

米国現地法人JTBI 設立。訪日外国人向けパッケージ旅行「サンライズツアー」を発売

1968

海外パッケージ旅行「ルック」を発売

1969

コンピュータによる客室自動予約「TRIPS システム」稼動開始

1971

国内パッケージ旅行「エース」を発売。株式会社交通公社トラベランド興業設立

1973

資本金、16億円に増資

1975

社外オンラインシステムおよび企画商品予約システム「TRIPS-II」の稼動開始

1980

「TRIPS-III」(予約発券システム)稼動、国鉄マルスと結合

1983

「エース」1,000万人達成、「ルック」200万人達成。第1回「旅行文化講演会」開催

1984

「サンライズツアー」300万人達成

1985

旅の積み立てプラン「たびたび」発売

1987

創業75周年。資本金増資、19億2,000万円となる

1988

株式会社JTBワールド設立。CI導入、日本交通公社からJTBへ呼称変更

1989

「TRIPS-IV」(予約発券システム)稼動

1991

「モチベーションビジネス」営業開始

1992

「CS推進運動」スタート。「神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ」開業

多摩本社ビル「フォレスタ」竣工。TTMプロジェクト「POPS」稼動開始。「たびカード」の発行開始

1994

「新宿泊システム」の本格稼動開始

1995

新「ナイスステイ」を発売。「ルックJTB」1,000万人達成

1996

「マルチメディアステーション」導入

1997

資本金増資、23億400万円となる。創業85周年

1998

「TRIPS-V」(予約発券システム)稼動。「格安航空券」販売開始。「JTB INFO CREW」導入

1999

出張に関する業務を代行する出張管理システム「J-@gent」構築

2001

1月1日本社移転、株式会社ジェイティービー(英文名 JTB Corp.)と社名変更

「Arcstar IP-VPN」をベースにした企業情報ネットワークを導入開始


会社概要


株式会社 ジェイティービー

本社:

東京都品川区東品川2-3-11

[ロゴ]JTB

創業:

1912年

設立:

1963年

資本金:

23億400万円

従業員数:

10,810名(平成14年3月末現在)

国内支店・営業所:

335カ所、JTBトラベランド店373カ所、総合提携店211カ所

海外拠点:

北米、欧州、オセアニア、アジア、ハワイ、ミクロネシアなど世界71カ所

国内グループ会社:

(株)JTBトラベランド、(株)JTBツアーズ、(株)JTBビジネストラベルソリューションズ、 (株)JTB地球倶楽部、(株)JTBワールド、(株)JTBデータサービス、(株)サンルート、 (株)JTB物流サービス、(株)ジャパンエキスプレス、(株)JTBエステート、(株)JTB情報システム、 (株)るるぶ社、(株)JTB能力開発

http://www.jtb.co.jp/



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